【魂の巡礼5】相川の黄金遺構から尖閣湾の絶景、そして真野に眠る順徳上皇の祈りへ

1,金銀山の息吹を感じる相川の朝

佐渡の旅2日目は、相川の黄金の歴史からスタートしました。

まずは「きらりうむ佐渡」へ立ち寄り、映像や立体模型で佐渡金銀山の全体像を予習。


2,司法と近代化の記憶|旧佐渡裁判所から相川拘置支所へ

その後向かった「佐渡奉行所跡」は、単なる行政施設にとどまらず、敷地内に金銀の精錬所(寄勝場)まで併設されていたという全国的にも極めて珍しい場所です。
写真は、佐渡奉行所の正面

正面に葵の御紋

奉行所の全体図

時代劇でおなじみのお白洲

勝場(せりば) 金銀の選考をするところ



真夏の強い日差しが照りつける中、当時の役人や職人たちの熱気に思いを馳せながら見学しました。

この大がかりな仕組みが北沢浮遊選鉱場にあります。

奉行所跡の周辺には、江戸から近代へと引き継がれた司法の歴史を物語る遺構がひっそりと残されています。

かつて相川の司法の中心を担った「旧佐渡奉行所」跡の歴史的なたたずまいに触れ、さらに足を伸ばして「旧相川拘置支所」へ。

昭和29年に開設され、昭和47年まで実際に使われていた木造平屋建ての拘置施設です。

扉に貼られた案内を見ながら外から中をみたら、外の厳しい暑さとは対照的に、ひんやりと張り詰めた無機質な感じを受けた。

金山で栄えた町のもうひとつの現実や、時代の移り変わりが肌に直接伝わってくるようでした。

3,「佐渡のラピュタ」北沢浮遊選鉱場跡とカフェランチ

続いて訪れた「北沢浮遊選鉱場跡」は、まさに「佐渡のラピュタ」と呼ぶにふさわしい圧倒的なスケール感。

佐渡鉱山で採掘された鉱石を処理し、金を取り出すために建設された選鉱施設。その希望は東洋一と言われたそうです。佐渡奉行所の勝場の施設を大掛かりにしたもの。


緑の蔦に覆われたコンクリートの近代産業遺構を前に、時の流れの雄大さを実感しました。

お昼はすぐ隣の「北沢カフェ」へ. 店内から選鉱場跡が見えます。

冷たいレモンスカッシュ

自社養豚の佐渡黒豚を100%を使った、ハンバーグとパスタが評判。

裁判所などで熱く、熱中症になりそうだったので、涼しい店内でいただくジューシーなハンバーグやパスタ、そして冷たいコーヒーフロートが火照った体に染み渡りました。

4,相川から真野へ|なぜか引き寄せられた順徳上皇の足跡 (真野御陵と真野宮

相川で金銀山や近代産業遺構の光と影に触れた後、午後、何かに引かれるようにして向かったのは佐渡中南部の真野(まの)エリアでした。

特別な前触れがあったわけではないのに、旅の歩みを進めるうちに、私の意識はこの島に最も深く重たい祈りを遺した「順徳上皇」の存在へと強く引き寄せられていきました。順徳上皇は、後鳥羽天応の第3皇子、承久の乱で佐渡に流され、43歳で佐渡で亡くなられました。

まず訪れたのは、順徳上皇が火葬された地である「真野御陵(順徳天皇火葬塚)」。
木立に囲まれた御陵の前に立つと、周囲の空気が一変し、厳かな静寂が満ちていました。


都へ還る叶わぬ願いを抱きながら眠りについた御前で手を合わせると、悲哀を超えた気品と静かな祈りが心へと染み渡ってきました。

続いて、仮の御所(行在所)であった「真野宮」へと足を運び、かつて上皇がこの地で過ごされた日々に思いを馳せました。

6,旅の締めくくりに訪れた佐渡歴史伝説館|龍王岩のレプリカと上皇の郷愁

真野の聖域を巡った後、午後の最後に「佐渡歴史伝説館」へ向かいました。

館内には、順徳上皇が日々海を眺めて都を偲んだと伝わる「龍王岩」の実物大レプリカが再現されており、その前に立った瞬間、遠く離れた京の空を見つめていた上皇のまなざしと孤独な祈りが、時空を超えて重なるような感覚を覚えました。

7,佐渡に流された3人の偉人たちが遺した想い

伝説館では、上皇だけでなく、この島へ配流となった偉人たちのドラマが精巧な人形とロボットによって臨場感たっぷりに語られていました。
まずは、順徳上皇。順徳上皇の第一内親王である慶子内親王が解説してくれます。

自らの信念と法華信仰を貫き通した日蓮聖人

そして72歳という高齢で配流されながらも、島の日照りに際して神池で舞を舞い、見事に恵みの雨を降らせたと伝わる能の大成者・世阿弥

8,ダイナミックな断崖絶壁と紺碧の海|尖閣湾の海中透視船へ

相川の歴史遺構を巡った後、国定公園に指定されている佐渡屈指の景勝地「尖閣湾(せんかくわん)揚島遊園」へ向かいました。

目の前に広がるのは、北欧のフィヨルドを思わせるような荒々しく削り取られた断崖絶壁と、息をのむほど深いコバルトブルーの海。

映画『君の名は』のロケ地としても知られる美しいアーチ型の「遊仙橋」が、切り立つ岩礁の間に架かる姿は圧巻のひと言です。

ここでは、船底がガラス張りになった「海中透視船(グラスボート)」に乗船しました。



船が港を出て岩肌のすぐそばを進むと、海上からは間近に迫る巨大な柱状節理の迫力に圧倒されます。
そして足元のガラス窓を覗き込めば、透明度抜群の海の中を悠々と泳ぐ魚たちの姿や海藻が手に取るように見え、まるで海中散歩をしているかのよう。

頭上には岩場にとまるウミネコたちが羽を休め、頬をなでる日本海の潮風の心地よさに、夏の暑さもすっかり忘れて大自然の雄大なエネルギーを全身でチャージすることができました。

8,必然の導きに感謝して

金山の栄華から真野の祈りへ。なぜか順徳上皇に引き寄せられ、最後に歴史伝説館で偉人たちの生き様に巡り合うことになったこの日のルートは、単なる観光ではなく、佐渡の深層にある「祈りと魂の記憶」に触れるための必然の導きであったのだと深く実感しています。

絶海の孤島という過酷な境遇にありながら、祈り、舞い、自らの道を生き抜いた3人の強烈な魂の叫びと深い想いに触れ、胸の奥が熱く揺さぶられました。

3日めはこちら

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