
みなさん、こんにちは。
2026年3月28日、私たちのエジプトリトリートは、さらに神秘に満ちたディープなエリアへと進んでいます。
この日は、ナセル湖クルーズの船上で迎える特別な朝から始まりました。
朝陽が当たるクルーズのデッキ。

昨日素敵なナイトショーを繰り広げたアブシンベル神殿ともお別れ。

遮るもののない青い空と、見渡す限りの壮大な湖。心地よい風に吹かれながら船を進めると、かつて要塞として栄えた「カスルイブリーム遺跡」が湖畔に姿を現します。船上からしか拝めないその神聖な姿を静かに見つめていると、日常の喧騒はどこかへ消え去り、心がゆっくりと調律されていくのを感じました。
(ここに「IMG_8449.jpg」を挿入:岩山の向こうに見えるクルーズ船)

私たちの乗った船は、ワディエルセブアに向けて航行を続けます。
砂漠の中にぽつんと現れる、限られた旅人しか訪れることのできない秘境の遺跡群。
いよいよ、最初のアマダ遺跡へ上陸です。
1, アマダ神殿 〜ヌビア最古の聖域と、水没の危機を乗り越えた歴史〜
最初に訪れたのは「アマダ神殿」です。
なぜか神殿の入り口に土産物がおかれている。

アマダ神殿の解説板

案内板にあるように、ここは新王国時代の第18王朝、トトメス3世やアメンホテプ2世、トトメス4世という錚々たるファラオたちによって建てられた、ヌビア地方で最古の神殿の一つ。
実はアスワン・ハイ・ダムの建設時、この大切な遺跡はナセル湖に沈む危機に瀕していました。
しかし、世界的な協力によって約2.5km離れたこの安全な場所へと、建物ごとそっくり移築されたのです。
人間の情熱と技術によって守られた聖域に、身が引き締まる思いがします。

一歩足を踏み入れると、そこは数千年前と変わらない祈りの空間でした。

ガイドさんが壁面に刻まれたレリーフを指し示しながら、当時の王たちの遠征や神々への儀式について熱く語ってくれます。
スカラベのカートゥシュ

特に感動したのが、石柱に驚くほど鮮明に残された王名(カートゥシュ)です。
中央には、再生や創造のシンボルである聖なる甲虫「スカラベ」のヒエログリフが。
古代エジプトの「魂の永遠の旅」を象徴するエネルギーが、今もこの柱から放たれているようでした。
天井の彩色とレリーフ

見上げると、天井や梁の隙間には当時の彩色がうっすらと残っています。
一時期、教会として使われていたことで上から漆喰が塗られ、それが図らずもこの美しいレリーフたちを現代まで守る保護層になったのだそう。
歴史の不思議な巡り合わせに、リトリートの仲間たちと深く息を呑みました。
2, デール神殿 〜岩窟に宿るラムセス2世の威光〜
続いて向かったのは、あの偉大なファラオ、ラムセス2世が造らせた岩窟神殿「デール神殿」です。
アムン・ラーに捧げられた神殿。神殿の構造は、アブシンベルの規模を小さくしたもの。
デール神殿の入り口

自然の岩山をくり抜いて作られたその佇まいは、先ほどのアマダ神殿とはまた違った圧倒的な重厚感があります。
色鮮やかなレリーフが残ります。

アメンボテップ3世は、カーディシュの6人もの王子殺した、ヌビア人の目のまえで殺した、
ヒッタイト人と戦う.

入り口では、ファラオの巨像の脚部が私たちを迎えてくれました。
一歩中へ入ると、ひんやりとした厳かな空気に包まれます。
岩の奥深くに差し込む太陽の光が、王の威光と神聖な守護のパワーを現代の私たちにも思い出させてくれるようでした。
3,ベヌートの墓 〜砂漠に佇む、来世への祈りの空間〜
この日の最後を締めくくるのは、これまでの神殿とは一線を画す、古代ヌビアを治めていた高官の「ベヌートの墓」です。
墓の外観・岩山

砂漠のなかに佇む、一見するとただの岩山。しかし正面には、四角い小さな入り口がぽっかりと開いています。まるで秘密の隠れ家のようなその場所に、胸の高鳴りが止まりません。
ベヌートの墓の解説板

ベヌートは第20王朝のラムセス6世に仕えた重要な役人でした。
お墓の内部には、彼がファラオから褒美を受け取る場面や、死後の世界(来世)へ魂が導かれていく「死者の書」のシーンが、美しいレリーフとして刻まれています。

古代エジプトの人々にとって、「死」は終わりではなく、次なる大いなる旅への始まり。
そのスピリチュアルな死生観、そして永遠の安らぎへの祈りが、この小さな静寂の空間に今も満ちていました。
4,旅の終わりに(エピローグ)
盛りだくさんだった遺跡巡りを終え、再びクルーズ船へと戻ります。
ハイ・ダムの底に沈むはずだったこれらの素晴らしい遺産が、世界中の人々の「残したい」という祈りによって守られ、いま私たちの目の前にあること。
そして、ナセル湖クルーズという特別な旅だからこそ、この秘境のエネルギーに触れられたこと。そのすべてに、深い感謝が湧き上がってくる一日でした。
リトリートの仲間たちとも、今日受け取ったメッセージや体感を語り合い、絆がさらに深まっていくのを感じています。
心地よいクルーズの揺れに身を任せながら、明日はどんな出逢いが待っているのでしょうか。
時空を超えた旅は、まだまだ続きます。
