キトラ古墳に展開する陰陽五行の世界【旅する神様15】

超国宝展の見学の翌日は、レンタカーを借りて明日香村のキトラ古墳へ行きました。
ここでは、時期を決めて、壁画を公開します。
今回は、南壁の朱雀が公開されました。

キトラ古墳は、明日香村字阿部山に所在する終末期古墳です。

キトラ古墳の全容、古墳にしては小さい。

キトラ古墳を横からみました。

時代とともに、古墳も小さくなりました。


石室の天井、壁画、床には漆喰が塗られていて、その漆喰をジャンバスにして、壁画が描かれています。
四周の壁には方位にあわせて、四神と獣頭人身の十二支が描かれています。
天井の東の斜面に日像、西の斜面には月像、一段高くなったところに天文図が描かれています。


キトラ天文図は、中国に始まる東洋天文学の数百年に渡る蓄積からうまれたものです。
そして飛鳥時代の中国、朝鮮、日本のさかんな交流によって飛鳥にもたらされたものです。

キトラ天文図は、現存する最古の科学的な天文図。

キトラの天文図は、現在私たちになじみ深い、西洋の星座ではなく、中国で考え出された星座です。

天の北極を中心とした中央部分を紫微垣しびえん(天の宮殿)、太微垣たいびえん(失政、儀式の場)、天市垣てんしえん(天の市場)の三垣さんえんとその周囲に二十八宿。この三垣と二十八宿が中国天文学の基本。
ここら辺は、占いとして有名な宿曜経、紫微斗数の世界に通じています。

二十八宿は、もともと暦を作る技術で、月の位置を知るために定められたもの。
東方、南方、西方、北方七宿、七つずつ東西南北に分けられ、これを象徴するのが㈣神。

陰陽五行の世界、活学算命学の基礎
この古代中国からもたらされた、陰陽五行思想を使って、私たちはいろいろの物を読み解いていきます。
超国宝展の七支刀でも陰陽五行の世界が見られました。

今回は時間がなくて、高松塚古墳は見学できなかったのです。
図録によると高松塚古墳の天文図は、キトラ古墳のような全天の星座ではなく、
二十八宿を四角く様式的に配列したもの。


選択された星図のみがデザイン化もので、「天文図」というより「星宿図」。
高松塚古墳は、キトラの十二支像が風俗図(人物図)

玄武北壁

東壁 青龍

南壁 朱雀

西壁 白虎

四神がいろんな倍率でみることができます

飛鳥資料館の貴重な図録(キトラ古墳壁画体験館 ㈣神の館の売店で販売していました)

特に、キトラ古墳と天の科学の図録には、天の科学と支配の思想が詳しく書かれていて、貴重な資料でした。
なぜか朱雀の図録がないのが残念。

㈣神のTシャツ
これも売店でもとめました。

京都駅の新幹線の売店で買った四神のハンカチ

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